「ぼくたちは習慣で、できている。」で分かった習慣と才能の関係性
「私には才能がないから、何も続かないんだ…」
「習慣にするのも才能の1つなんでしょ?」
習慣をつくれないのは、生まれ持った素質のせいだと思っていませんか?
生まれつき「何かを続ける才能」を持っている人はいない。
天才といわれている人も、ただ努力を続けただけだった。
そんなことに気付かせてくれるのが、「ぼくたちは習慣で、できている。」です。
著者は佐々木典士さん。出版社勤務を経て独立し、作家・編集者として活動されています。
ミニマリズムを実践し、初めての著書「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」はベストセラーになりました。
本書では、
- 習慣を身につけられない理由
- 習慣とは何か
- 天才と習慣の関係性
がかかれています。
私には続ける才能がない…と思っている人にオススメです!
習慣を身につけられない理由
何をしても続かない人がいる。
その一方で、多くのことを習慣にしている人もいますよね。
この違いは、目の前の報酬に勝てるかどうかにあります。
習慣をつくるのを邪魔する、目の前の報酬とは何なのか、打ち勝つにはどうすれば良いのかを探りましょう!
目の前の報酬に負ける
よい習慣を身につけられない原因は、人が目の前の報酬にどうしても屈服してしまうこと
目の前に報酬がぶら下がっていたとしても、将来の報酬を得たり罰則を避けるために、それを断てる人が「意志の強い人」と言われたりする
- 早起きしたいけれど、あと5分寝たらスッキリする
- ダイエット中だけど、このお菓子を食べたい
このような経験が、皆さまにもあるのではないでしょうか?
あと5分寝る・お菓子を食べるというのが、目の前の報酬です。
将来の報酬とは、早起きして勉強し、資格を取る・痩せて健康な体を手に入れること。
将来の罰則は、いつまでも資格が取れない・体を崩して病院に通うことです。
目の前の報酬を我慢すれば、将来の大きな報酬が得られることは、誰もが理解していますよね。
ですが、将来良いことが起きるよ!と言われるよりも、このお菓子美味しいよ!と言われたほうが、私達の心に響きます。
将来の報酬というのは漠然としていて、価値が判断しづらい。
それよりも、確実に価値が分かっている目の前の報酬に飛びついてしまうのです。
習慣に才能は必要?
目の前の報酬は魅力的ですが、それに飛びつかない人もいますよね。
目の前の報酬が待てない人と、待てる人の違いは何なのでしょうか?
それを明らかにする実験がありました。
マシュマロ・テスト
対象:保育園に通う4~5歳児
実験内容:下の2つのうち、どちらがいいかを選ぶ。
- 目の前のマシュマロ1個をすぐに食べる
- 1個を食べずに20分間待ち、マシュマロを2個もらう
実験後に追跡調査をしたところ、20分間待てた子どもの方が将来の成績が良く、給料の高い仕事をしていたことが分かりました。
じゃあやっぱり、習慣を作るのって才能なの!?と思いたくなりましたが、それは違うと著者はいいます。
認知はそのコツを教えることで実践できるようになった。それは後から学べるスキルだということだ
認知とは、目の前の現実のとらえかたのこと。
4~5歳の子どもたちでも、認知を変えるだけでマシュマロを待つことができるようになりました。
方法はとても簡単です。
目の前にあるのは、マシュマロの偽物だ。ただの雲だと思い込むこと。
偽物だと伝えたときには、平均で18分待てるようになり、ただの雲だと思うように伝えると、2倍の時間待つことができたそうです。
最初からマシュマロを食べなかった子どもたちは、この方法を既に知っていただけ。
私達でも、すぐ身につけることができそうですよね。
目の前にあるのはチョコレートではなく、砂糖の塊。ニセモノの棒。
明日から試してみてください
習慣って何?
習慣をつくるためには、習慣の本質を知ることと、悪い習慣を止めることが大切です。
習慣に大切な3つの要素・悪い習慣を止められない理由を知り、自分を変えていきましょう!
習慣の3要素
- トリガー=習慣を始めるきっかけ。
- ルーチン=トリガーによって引き起こされる決まった行動
- 報酬=トリガー・ルーチンを記憶するべきか判断する材料
トリガー・ルーチン・報酬について
私の筋トレを例に説明します。
午後3時、椅子に座って、紅茶を飲む。
紅茶を飲み終えたら、DVDを起動させて筋トレする。
体と心がスッキリしたことを確認し、幸せを感じる。
トリガー=椅子に座る・紅茶を飲む
ルーチン=DVDを起動し筋トレする
報酬=体もこころもスッキリ!気持ちいい!
紅茶を飲む・トレーニングを頑張る行動と、気持ちいい!という快感が結びつき、また筋トレをしよう!と私の脳が考えます。
そして、この行動・快感の結びつきは、何度も繰り返すことで強くなるそうです。
習慣をつくるために大事なのは、モチベーションを上げることではなく、同じことを何度も行うこと。
トリガー・ルーチン・報酬の流れを脳に記憶させて、自分の意志を使わずに行動する。
これが習慣です。
悪い習慣が止められない理由
習慣でやっかいなのは、やめたい習慣もまったく同じ仕組みで働いているということだ
良い習慣をつくるには、トリガー・ルーチン・報酬を覚えさせることが大切。
そして、良い習慣をつくることと、悪い習慣をやめるのはセットです。
早起きして勉強するためには、夜中にだらだらスマホを見る習慣をやめなければいけません。
ここで注意したいのは、「スマホを見る」という悪い習慣も、トリガー・ルーチン・報酬によってつくられていること。
行動と快感が脳にインプットされているので、すぐに手放すことができません。
私の場合は、ソファに寝ころぶことがトリガーになって、スマホを手に取ってしまいます。
面白いニュース、話題のツイートを見るのが楽しくて、ムダな時間を過ごすことに。でも、楽しいから止められない。
悪い習慣をやめるには、自分がやってしまう行動のトリガーと報酬を明らかにし、他のものに置き換えること。
新しい習慣を取り入れる前に、悪い習慣を続けてしまう自分を分析することが大切です。
天才たちと習慣の関係性
ダーウィン、アインシュタインのように、天才的な才能を持った人達がいます。
彼らは、神から与えられた才能のおかげで成功したのでしょうか?
才能は生まれつき持っているものではなく、習慣によってつくられたもの。
天才たちと習慣との関わりを探り、成功するための道筋を探しましょう。
天才=習慣を続けた凡人?
人はもっと刺激的な内容を期待する。「すべては遺伝子が決めている!」「天才になるためには、3歳までの教育で決まる!!」とかなんとか。しかし事実は地味だ。ただ習慣をコツコツ継続すること。習慣の継続が才能を作り上げる。
天才たちが自分は才能がないとか、凡人だとか言うのは、天才にたどり着くまでに本人が実感している工程があまりに地味だからではないだろうか?
天才たちを目の前にすると、私たちは「彼らは生まれつき才能があった」、「環境に恵まれていた」などのように、魅力的なストーリーを勝手に作り上げてしまいます。
ですが、天才たち本人は、自分に特別な才能があったとは思っていません。
ダーウィンは、「自分にある才能は、自然科学への情熱を持ち続けていること」と言いました。
アインシュタインも、「私には特別な才能はないが、情熱的に好奇心旺盛だ」とのこと。
自分たちが優秀だったからではなく、問題が解決するまで取り組めたから成功した。才能よりも継続することが大切だった、と本人たちは語っています。
ある日突然アイデアが降ってきた、と考えるのは、私達の妄想かもしれません。
実際は、誰よりも長く考え続けたことで、他の人達が到達出来なかった答えにたどり着いたのではないでしょうか。
「才能がない」で諦めない
遺伝で決まっている要素が大きいと考える人よりも、変えられる余地が大きいと信じている人のほうが、遠くへ到達できることは疑いようがない
自分が到底叶わないと感じる人に出会ったとき、「あの人とは遺伝子が違う」と諦めてしまいがちです。
ですが、それは本当にもったいない。
遺伝子レベルで違っていることなんて、そうそうありません。
著者は「才能」を狭い意味での才能と、センスに分けて考えています。
才能は、継続した結果身についたスキル。
センスとは、やりたいことを習得するスピード。
同じことを経験しても、すぐに習得できる人がいます。その人にあるのは、才能ではなくセンス。センスがあるおかげで、少ない労力で目標にたどり着けるのです。
ただ、センスが無い人も、継続して行えば、同じスキルを手に入れる可能性が上がりますよね。
継続した結果スキルが身につき、それが才能になっていきます。才能がないからと諦めてしまったら、成功する可能性はゼロ。
「私もいつか追いつける」と信じて頑張ることで、才能を開花させる確率が上がるのは間違いありません。
習慣は努力でつくれるもの
才能は与えられるものではなく、努力を続けた後に「作られる」ものである。
その努力は、習慣にしてしまえば継続できる。
今、叶えたい夢がある人。
何かを続ける才能が欲しい人。
習慣をつくる才能は誰もが持っています。大切なのは、その才能を正しく引き出すこと。
「ぼくたちは、習慣でできている。」には、なぜ自分が続けられなかったのか・今度こそ続けられる方法・成功者になるヒントが書かれています。
今回は紹介しきれませんでしたが、習慣にできない原因については、3章「習慣を身につけるための50のステップ」に載っています。
いいとこ取りをしようとする、やる気に頼ってしまうなど、思い当たることばかり。才能がないと感じるのは、誰もが同じです。
「才能がないから…」と諦めてしまう前に、ぜひ読んでみてください!